公開日 2022.10.11
最終更新日 2023.09.13
目次
M1 ULTRAチップとは
「M1 Ultraチップ」とは、Apple社から2021年10月に発表された、かつてないレベルのパフォーマンスと能力を持つシステムオンチップ(SoC)の事です。
「M1 Ultraチップ」は先に発表された「M1 Maxチップ」を2つ。相互接続することにより、1,140億個という世界最高レベルのトランジスタで構成されています。
20コアCPU、64コアGPU、32コアNeural Engineがアクセス可能な、最大128GBの高帯域幅を持ち、膨大な演算力で3Dレンダリング等の高負荷作業でのパフォーマンスでも非常に高い性能を発揮します。
M1チップファミリー
「M1 Ultraチップ」を説明する前に、Apple社から出されているM1チップファミリーを比較しながら紹介します。
【M1チップ】Apple社が独自開発した初のシステムオンチップ(SoC)で、2020年の11月に発表されました。
それまでそれぞれ独立したチップであったCPUやGPU、Neural Engineなどのパソコンを動かすために重要なチップを、1つのチップにまとめて組み込むことによってパフォーマンス性を向上させ、さらに省電力化にも成功しました。また、Apple社独自のチップの為、iPhone・iPad向けのアプリをMacにも提供できるようになりました。
このシステムオンチップ(SoC)【M1チップ】はその後、【M1 Proチップ】【M1 Maxチップ】【M1 Ultraチップ】と性能をさらに向上しながら進化していきます。
その性能の違いは、
単独チップとしては、最上位である【M1 Maxチップ】。これを更に2枚つなげ合せて【M1 Maxチップ】の2倍というパフォーマンスを最大に展開出来るようにしたものが【M1 Ultraチップ】です
如何にモンスター級である事かが伝わるでしょうか。
【M1 ULTLAチップ】の力を発揮するのは?
M1ファミリーは、全てにおいて高い処理能力を有していますが、特に【M1 Maxチップ】や【M1 Ultraチップ】は、GPU性能とビデオ処理性能が高く、3Dレンダリングや高解像度動画の編集など高負荷の作業をスピーディに処理します。
【M1 Maxチップ】の処理能力の2倍を有している【M1 Ultraチップ】は、高負荷作業においては約1140億個というトランジスタ能力で驚異の処理スピードを実現しています。
【M1 ULTLAチップ】は【M1 MAXチップ】の2倍!
単純に【M1 Maxチップ】を2枚くっつければ、2倍のパフォーマンスを実現できるかというと、そうはいきません。
ただマザーボード上で2つのプロセッサを接続しても、CPU間の通信帯域幅の制限やそれによる遅延の発生が起こり、単純に2倍にはなりません。
しかし【M1 Ultraチップ】では、Appleの専用設計のパッケージングアーキテクチャであるUltraFusionにより、2つのチップが1つのチップとして動作し、ソフトウェアに認識されるのでその差異が発生せず純粋に2倍の能力を発揮します。
電力効率はどうなったのか
Apple社によると、「M1 Ultraチップ」のCPUは同じワット数の最上位モデルチップよりも、100W少ない電力で90パーセント高いパフォーマンスを発揮出来るそうです。
また、GPUにおいても同等にハイエンドモデルのGPUに対して200W少ない電力でさらに高速のパフォーマンスを実現していると述べています。
まとめ
【M1 Ultraチップ】は、3Dレンダリングや複雑な画像処理のような最もグラフィックスを駆使する作業において、M1チップの8倍のサイズとなる64コアGPUを搭載し、現在利用可能な最もハイエンドのWindowsパソコンのGPUよりもさらに高速な作業を、200ワット少ない電力で発揮する、高処理能力・省電力な(2022年現在において)最高峰のシステムオンチップ(SoC)と言えるのです。