公開日 2023.03.02
最終更新日 2023.08.24
パソコンの「GPU」って画像の関係なのは知ってるけど、具体的に何をするものなの?
「グラフィックボード」とは違うの?
「GPU」は確かに画像処理を担当するチップの事だね。
じゃあ今からGPUについて詳しく解説するよ
お願い!タマちゃん
GPUとは?CPUとは何が違うのか
GPU(Graphics Processing Unit-グラフィックス プロセッシング ユニット-)とは、3Dグラフィックスのどの画像を描写する際に必要となる計算処理を行うチップの事です。
パソコンにはCPUという、パソコンの中央であらゆる作業の処理を行ういわばパソコンにおいての頭脳と言えるチップが存在しています。これに対して、GPUはそのCPUを助けて画像処理部分に特化して処理を担当する部分になります。これによりCPUは重たい画像の処理をGPUに負担してもらって、その他の処理を素早く行えるようになるのです。
昨今のPCにおいて、グラフィック表現はどんどん高度になっています。その分画像処理に関しても高負荷のかかる部分になっていますので、GPUの能力に関してはパソコンを選ぶ際にも重要な要素となっています。
GPUの種類
一般的に「GPU」は「グラフィックボード」と呼ばれており、拡張機能としてPCに取り込むパーツとして認識されていると思いますが、もともとパソコンのCPU内にグラフィック機能を担当するGPUを内蔵している「内蔵GPU」もあります。
「Iris Xe グラフィックス」「インテル UHD グラフィックス」がそれにあたります。
例「グラフィック:インテル® UHD グラフィックス 620 (プロセッサー内蔵)」
Intel製のパソコン等には基本的に搭載されており、一般的なビジネス用途では、「内蔵GPU」で十分なグラフィック能力といえるので、こちらの方が一般的には主流と言えるかもしれません。
しかし、オンラインゲームや動画編集等のさらに高負荷の画像処理能力が必要な場合には、拡張機能としてのグラフィックボードが必要になってきます。
NVIDIAのGeforce「RTX」「GTX」シリーズ / QuadroシリーズやAMD 「Radeon」シリーズなどがそれにあたります。
例「グラフィック:NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU / GDDR6 6GB」
デスクトップパソコンの場合は交換やグレードアップが可能ですが、ノートパソコンの場合は基本的に出来ないので、最初の段階で組み込まれたグラフィックボードでグラフィックの性能が固定されます。
内蔵GPUとグラフィックボードの違いとは?
内蔵GPUとグラフィックボードの違いは「圧倒的な性能の差」と言えます。
具体的に双方のグラフィック能力をベンチマークスコアを使って比較してみましょう。
比較に使用するのはゲーミングPCのDAIV-5N(第3世代)(i7/メモリ32GB/RTX3060)
このPCには内蔵GPUとグラフィックボード両方が入っています。
それぞれのGPUが単体のみで稼働した場合の処理速度をベンチマークテスト(使用アプリ:Geekbench4)で測ってみました。数値が高いほどグラフィックの処理能力が優れています。
【マウスコンピューター DAIV-5N(第3世代)(i7/メモリ32GB/RTX3060)】
GPU型 | GPU名称 | OpenCLスコア |
内蔵GPU | モバイル インテル(R) HM570 | 28732 |
グラフィックボード | NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU | 64017 |
結果を見ても分かるように、およそ倍近い性能差があります。
ただ、処理能力が高ければ高いほど発熱量や消費電力が高くなる傾向にあります。
グラフィックボードについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
内蔵GPUでどこまで出来るのか
では、内蔵GPUではどこまでカバーできるのか、グラフィックボードを必要となるのはどこからなのか、気になるところではないでしょうか?
ざっくりと内蔵GPUで用途別にまとめると(もちろんGPUの性能にもよりますが)以下のようになります。
内蔵GPUの性能は、CPUの性能に比例しますので、CPUの低いパソコンではGPUの性能も低くなりますので、例えば動画の鑑賞ではカクカクしたり遅くなったりします。
まとめ
GPUを選ぶ際にも、何をするのかによって内蔵GPUのみにするのかグラフィックボードを必要とするのかを考える必要があります。
簡単に図式化すると…
当然GPUのレベルが高くなるほどコストは高くなるので、目的に合せて適切なGPUを選びましょう。
ここまでGPUはグラフィック処理特化と書いてきましたが、グラフィックとは単純行列演算で成り立ちます。言い換えれば、単純な演算を繰り返して処理する事に特化している事になります。
なので、グラフィックのみではなく単純計算を繰り返す作業でのGPUが注目され、最近ではAIやメタバース開発においてもGPUの使用が支流となっています。